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カタクリの果実
投稿日時 2008-5-31 12:00:00
執筆者 sanyasou
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「さく果」と呼ばれ、通常3つに分かれた部屋の中に種子を実らせたカタクリ有性個体たちの今。
有性段階に達すると同時につける2枚の葉は既に枯れ透明になって、見る影もありません。
これまで、地下鱗茎から地上部へ養分を送り続けて、日に日に重く肥大化するさく果を支えていた細長い茎は、その使命を終えたかのように地に臥しています。
いち早く地上に出た個体でしょうか、既に完熟裂開して種子をばら撒いていました。
地上に降りた種子から発せられる甘い芳香性のエライオソームという付属体(脂肪酸) に惹かれ、今度はアリたちが仲間を集め組織的に運んで行くといいます。
見ようによっては、これからがアリたちにとってのかたくり祭、収穫祭の始まりなのかも・・
アリたちに散布を託すわけですから、生活圏が広がるといっても実にゆっくりとしたもの。
さらに厳しい生存競争を潜り抜け、わずかの確率で発芽に至るカタクリのこどもたち・・・頑張って!
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