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道草
投稿日時 2008-10-19 17:20:00
執筆者 sanyasou
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仙台市の植物相調査に参加させて頂いているのですが、ときに必要以上に時間が掛かってしまう事があります。
原因は、採集標本を挟み込んで乾燥し、寄贈されるまでを共にする「古新聞」の存在。
ついつい手にとって読んでしまうのですが、こうも次々と起こる刹那的な事件の多さにはなんともいえない気持ちになります。
インターネットは便利な情報ツールですが、(当然)押し花はできません、、
世はペーパーレス化が進行していますが、活字の存在は侮れません。デジタルとアナログ・・・同じことは写真にも言えそうです。
画像データのまま、日の目を見ないデジカメ・ショットは膨大なものとなるでしょうが、従来のようにフィルムがプリントされて残っていれば、年数が相当経ってもひょんなことから人の目に触れるチャンスは生き続けるものです。
今日は作業中に、可憐な黄色い花(アポイキンバイ)が目を引いた今年5月の新聞記事で引っ掛かりました。
それは、一昨年「第5回全国カタクリサミット」が開催された北海道様似町のアポイ岳の植物に関するものでした。
「迫るハイマツ 高山植物の危機」という見出しで、今春一輪だけしか確認できない事態に陥っているヒダカソウを例に、特異な環境の中で固有種が独自の進化を遂げ「宝石箱」にも例えられる世界的にも貴重なアポイ岳の植生が、温暖化による影響で崩壊が懸念されていると伝えています。
盗掘と踏み荒らしの問題とは別の次元で、目に見えない温暖化の影響は回復困難なほど巨大で深刻といいます。
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